長野研修 Vol.3
『写真に残せない、石の教会』
halutaのホテルを満喫した翌朝6時。
「ガシャン、ガシャン!」
突然、テラスの方から大きな音がして目が覚めました。
廊下からテラスへ出られるつくりだったので、一瞬「寝坊した!?」と飛び起きます。誰かが呼びに来てくれたのかと思いましたが、外には誰の姿もありません。
結局、音の正体は分からないまま、静かなホテルで迎えた、少しだけ不思議な朝でした。

集合時間までは、それぞれ思い思いの時間を過ごします。近くを散歩する人、部屋でゆっくり過ごす人、テラスで景色を眺める人、ヴィンテージ雑貨を見る人。旅先ならではの、ゆったりと流れる朝の時間です。


朝食は、still内にある haluta køkken へ。ハンドドリップで淹れたコーヒーと、デンマークの材料と製法で焼き上げたルブロ(黒パン)を買い、ロビーでゆっくりいただきました。
コーヒーの香りに包まれながら過ごす静かな朝。
軽井沢にいながら、少しだけデンマークを旅しているような気分です。
そんな余韻を胸に、stillをあとにして向かったのは、建築家ケンドリック・ケロッグが設計した「石の教会」。
家具だけでなく、建築もまた”体感するもの”です。

木漏れ日が差し込む森の中を歩いていくと、石畳の小道がゆるやかに続きます。自然の中を歩いているはずなのに、気が付けば建築の中へ。
石、ガラス、水、木、緑。どれかひとつが主張するのではなく、それぞれが自然につながり合い、静かに調和していました。石壁を伝う水の音に耳を澄ませ、やわらかく差し込む光を感じる。
教会内は撮影禁止。
シャッターを切ることはできないからこそ、自然とカメラを置いて、その場の空気や光、水の音に意識が向きました。
「あとで写真を見返そう」ではなく、「今、この瞬間を覚えておこう」。写真には残せないけれど、その静けさや心地よさは、不思議と心の中にはっきりと残っています。
家具と同じように、建築もまた五感で体感するもの。その余韻を胸に、この旅でも特に楽しみにしていた「HOUSE OF FINN JUHL HAKUBA」へ向かいます。
Written by Kadota
