長野研修 Vol.2
『家具がつくる、心地よい空間』
今回の研修テーマは、「家具を体感する旅」。
1泊目に訪れたのは、軽井沢にある haluta hotelli still(ハルタホテリ シュティル)。
北欧ヴィンテージ家具や雑貨を取り扱う haluta が手がけるホテルで、20年もの間、時を止めていたドライブインをリノベーションした複合施設「still」の中にあります。
“家具好きなら一度は泊まってみたい” そんな場所へ、ようやく足を運ぶことができました。
チェックインの前に、交流のある岐阜県の F-FURNITURE さんへ。最近、このstillに新たな拠点を構えられたと聞き、見学させていただきました。新しい土地で挑戦されている姿を目の前にして、「自分たちも頑張ろう」と自然と背中を押されます。
そしてもう一か所立ち寄ったのが、halutaのショップ。ホテルで使われている北欧ヴィンテージ家具も並んでいるとあって、自然と期待が高まります。ソファに座ってみたり、キャビネットの扉を開けて構造を見たり。
「この納まりどうなってる?」「棚板薄いよね、これでもつんかね」
気付けば手で寸法を測りながら家具を見ていました。やっぱり、見るところが家具屋です(笑)
この家具たちで客室がつくられていると思うと、ますますチェックインが楽しみになりました。

ホテルには3つの客室があり、2人部屋なので今回はすべて予約。それぞれ異なるコンセプトでつくられた空間を、じっくり体感することができました。

一番広い grand room は、「住まうように過ごす」ことをイメージした客室。壁で仕切るのではなく、床のレベル差によってゆるやかにゾーニングされ、空間全体にゆとりが感じられます。
左官ならではのやわらかな壁に、ペンダントやブラケットなどの間接照明。光と影が壁に映り込み、時間とともに表情が変わっていく様子が、とても心地よく感じられました。
浴室には樹齢約200年のヒノキを使ったバスタブ。お湯を張ると、ふわっと木の香りが広がり、移動の疲れをやさしく癒してくれました。










studio は、ワーケーションをイメージした客室。こちらも壁で仕切ることなく、床の段差やフローリングの貼る方向を変えることで、それぞれの場所に役割を持たせています。
ラウンドテーブル横のアール壁や、ベッドスペースのゆるやかな框の曲線が、空間全体にやわらかさを添えていました。造作の洗面台には麻を取り入れるなど、設備というより家具として空間に馴染んでいるのも印象的でした。






一番コンパクトな terrace は、テラスへと視線が抜けることで、実際の広さ以上の開放感があります。
窓の外へ向けて置かれたイージーチェアや、壁付けもしやすい半円形のテーブル。限られた空間だからこその工夫が随所にあり、とても参考になりました。



夕食を食べたあとは、grand roomに集まって部屋飲み。ヴィンテージのお皿におつまみを盛り付け、音楽を流す。軽井沢にいながら、少しだけデンマークを旅しているような気分です。
ところが、不思議なことがありました。途中で音楽を陽気な曲に変えてみても、みんな自然と声のトーンが下がり、会話もゆったり。空間そのものが、「静かに過ごしたくなる空気」をつくっているようでした。
そこで今度はterraceの部屋へ移動。同じメンバーなのに、部屋へ入った瞬間、空気が変わります。コンパクトな空間だからか少しカジュアルな感じもあり、自然と笑い声が増え、会話もどんどん弾んでいきました。
家具だけではなく、空間の広さや天井の高さ、素材、照明。空間には、人の過ごし方まで変える力がある。
そんなことを、身をもって体感した夜でした。
気付けば宮城がノートを取り出し、部屋の寸法を測り始めます。家具のサイズ、キッチンの奥行き、部屋の広さ…
「旅先で部屋をスケッチしている人に憧れるけど、なかなかできないんよね。」
その一言で思い出しました。
そうだった、これは旅行ではなく、研修。
写真だけでは残せないことも、寸法やスケッチなら持ち帰ることができます。
「いいな」と思った理由まで持ち帰ること、それもこの旅の大切な目的です。
「家具を体感する旅」の1泊目は、家具だけでなく、空間や光、人の過ごし方まで、たくさんの学びに出会えた一日となりました。
Written by Kadota
